小規模事業者持続化補助金とは?最大50万円が貰える補助金

補助金の中でも最も有名な補助金が「小規模事業者持続化補助金」、あるい「ものづくり補助金」ではないでしょうか。

今回は、多くの事業所が対象になり、また多くの経費が対象になる、「小規模事業者持続化補助金」について取り上げました。毎年内容が異なりますが、概要、対象となる経費、実際に申請し通過した際に気を付けた点をお伝えします。

1.小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金とは、「5人(または20人)以下の事業所に、事業発展(売上改善)のために支援するよ」というものです。

事業発展の中身は、販路開拓、業務改善、等が挙げられ、例えばホームページ制作、地方への旅費交通費、チラシ作成、システム導入等、幅広く活用できる補助金です。

対象事業者

小規模事業者持続化補助金は、常時雇用する労働者の人数により対象事業者となるか別れます。

業種 従業員
卸売業・小売業 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業(宿泊業・娯楽業以外) 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

「常時使用する従業員の数」に含まれない者とは

  • 会社役員
  • 個人事業主本人
  • 期間の定めのあるもの
  • 派遣労働者
  • アルバイト、パート

また、「風俗業」、「医師・歯科医師」、「一般社団法人」、「NPO法人など営利企業に該当しない法人」は対象外となります。

補助率・補助額

補助率:2/3
補助額:50万円

ただし、下記条件に該当する場合のみ補助額の上限が100万円まで上がります。

  • 従業員の賃金を引き上げる取り組みを行う事業者
  • 雇用を増加させる取り組みを行う事業者
  • 買物弱者対策の取り組み
  • 海外展開の取り組み

さらに複数の事業所が連携した共同事業であれば、最大500万円を受給することができます。

「従業員の賃金を引き上げる取り組み」の条件

6ヵ月以上雇っている従業員の中で、最も低い「時間当たり賃金額」を4%以上引き上げた額を、賃金引上げ実施後の「事業内最低賃金」します。

つまり、Aさん時給820円、Bさん時給820円、Cさん時給825円の場合、Aさん、Bさんが最低賃金なので4%引き上げ後は852円になります。そして、この852円が事業内最低賃金となるため、必然的にCさんも852円にしなければいけません。

そして、上記の「事業内最低賃金」という旨を就業規則に明記し、最低でも賃金引き上げ実施後、6ヵ月間は賃金の引き下げを行わないようにすることです。

「雇用を増加させる経営計画に基づく取り組み」の条件

計画に基づき新たな従業員を雇用し、社会保険に加入させ、少なくとも補助事業完了日まで雇用を継続させること。

「買物弱者対策に取り組む事業」の条件

買物弱者は、自ら車を運転できない高齢者や歩いて行ける範囲内に生鮮三品等を扱う小売店等の立地が不足している高齢者等が該当し、その方々のために、移動販売のための「冷蔵車」等が対象となります。

「海外展開に取り組む事業」の条件

海外販路開拓のための、「展示会等に出展」、「商談会への参加(個別の取引先との商談は除く)」、「展示会等を開催」が補助事業に含まれている場合が該当します。

過去の小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は毎年予算が確保されるかわからず、また内容も変わる可能性があります。

そこで、参考までに過去の小規模事業者持続化補助金の例を見てみましょう。

平成25年度補正予算 小規模事業者持続化補助金
募集期間 受付開始 平成26年2月27日(木)
第1次受付締切 平成26年3月28日(金)
第2次受付締切 平成26年5月27日(火)
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、委託費、外注費
平成26年度補正予算 小規模事業者持続化補助金
募集期間 受付開始 平成27年2月27日(金)
第1次受付締切 平成27年3月27日(金)
第2次受付締切 平成27年5月27日(水)
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、委託費、外注費
平成26年度補正予算 小規模事業者持続化補助金 追加公募
募集期間 受付開始 平成27年7月3日(金)
受付締切 平成27年7月31日(金)
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、委託費、外注費
平成27年度補正予算 小規模事業者持続化補助金
募集期間 受付開始 平成28年2月26日(金)
受付締切 平成28年5月13日(金)
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、委託費、外注費
平成28年度補正予算 小規模事業者持続化補助金 一般型
募集期間 受付開始 平成28年11月4日(金)
受付締切 平成29年1月27日(金)
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、委託費、外注費
平成28年度補正予算 小規模事業者持続化補助金 追加公募分
募集期間 受付開始 平成29年4月14日(金)
受付締切 平成29年5月31日(水)
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、委託費、外注費
平成28年度第2次補正予算 小規模事業者持続化補助金 熊本地震対策型
募集期間 受付開始 平成28年11月4日
第1次受付締切 平成28年11月25日
第2次受付締切 平成29年1月27日
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、委託費、外注費
平成28年度第2次補正予算 小規模事業者持続化補助金 台風激甚災害対策型
募集期間 受付開始 平成28年11月4日
第1次受付締切 平成28年12月2日
第2次受付締切 平成29年1月27日
補助率 2/3
補助額 50万円
対象経費 機械装置等費、広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、車両購入費、委託費、外注費

2.具体的な補助対象経費

小規模事業者持続化補助金の具体的な経費の対象をお伝えします。

機械装置等費

対象経費

高齢者、乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子、ベビーチェア、衛生向上や省スペース化のためのショーケース、生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫、新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)、販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア(精度の高い図面提案のための設計用3次元CADソフト、販促活動実施に役立てる顧客管理ソフト等)、管理業務効率化のためのソフトウェア

対象外経費

主に、日常の仕事業務でも欠かせないものは対象外となるケースが多いです。

自動車等車両、自転車、文房具等の事務用品等の消耗品代、パソコン、事務用プリンター、複合機、タブレット端末、ウェアラブル端末、電話機、家庭および一般事務用ソフトウェア

広報費

対象経費

ウェブサイト作成や更新、チラシ・DM・カタログの外注や発送、新聞・雑誌・インターネット広告、看板作成・設置、試供品、販促品(例:商品・サービスの宣伝広告が掲載されたポケットティッシュ等)

対象外経費

商品・サービスの宣伝広告の掲載がない販促品・試供品、商品・サービスの宣伝広告を目的としない看板・名刺・会社案内パンフレットの作成・求人広告(単なる会社の営業活動に活用されるものとして対象外)、文房具等の事務用品等の消耗品代(販促品・チラシ・DMを自社で内製する等の場合でも、ペン類、クリアファイル、用紙代・インク代・封筒等の購入は対象外です。詳細は P.52 を参照ください。)、金券・商品券、チラシ等配布物のうち未配布・未使用分、補助事業期間外の広告の掲載や配布物の配布、フランチャイズ本部が作製する広告物の購入、売上高や販売数量等に応じて課金される経費

展示会等出展費

対象経費

展示会出展費用、運搬費(レンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除く)、通訳料、翻訳料

対象外経費

販売のみを目的とし、「販路開拓」に繋がらない展示会等出展費は対象となりません。

旅費

対象経費

展示会への出展や、新商品生産のために必要な原材料調達の調査等に係る、宿泊施設への宿泊代、バス運賃、電車賃、新幹線料金(指定席購入含む)、航空券代(燃油サーチャージ含む。エコノミークラス分の料金までが補助対象)、航空保険料、出入国税

対象外経費

国の支給基準の超過支出分、日当、自家用車等のガソリン代、駐車場代、タクシー代、グリーン車・ビジネスクラス等の付加料金分、朝食付き・温泉入浴付き宿泊プランにおける朝食料金・入浴料相当分、視察・セミナー等参加のための旅費、パスポート取得料

開発費

対象経費

新製品・商品の試作開発用の原材料の購入、新たな包装パッケージに係るデザインの外注、業務システム開発の外注

対象外経費

文房具等の事務用品等の消耗品代、(開発・試作ではなく)実際に販売する商品を生産するための原材料の購入、試作開発用目的で購入したが使い切らなかった材料分、デザインの改良等をしない既存の包装パッケージの印刷・購入、(包装パッケージの開発が完了し)実際に販売する商品・製品を包装するために印刷・購入するパッケージ分

資料購入費

対象経費

事業遂行に必要不可欠な図書等を購入するために支払われる経費で、10万円未満のもの。

対象外経費

10万円以上のもの、同図書の複数購入経費

雑役務費

対象経費

事業遂行に必要な業務・事務を補助するために補助事業期間中に臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、派遣労働者の派遣料、交通費として支払われる経費

対象外経費

通常のアルバイトや社員への給与

借料

対象経費

事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費

対象外経費

特になし。

専門家謝金

対象経費

事業の遂行に必要な指導・助言を受けるために依頼した専門家等に謝礼として支払われる経費

対象外経費

特になし。

専門家旅費

対象経費

事業の遂行に必要な指導・助言等を依頼した専門家等に支払われる旅費

対象外経費

特になし。

車両購入費

対象経費

「買物弱者対策」に取り組む事業で、買物弱者の居住する地区で移動販売、宅配事業等をするために必要不可欠な車両の購入に必要な経費

対象外経費

特になし。

委託費

対象経費

上記に該当しない経費であって、事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費(市場調査等についてコンサルタント会社等を活用する等、自ら実行することが困難な業務に限ります。)

対象外経費

外注費

対象経費

店舗改装・バリアフリー化工事、利用客向けトイレの改装工事、製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事、移動販売等を目的とした車の内装・改造工事(買物弱者対策に取り組む事業でなくとも、車の内装・改造工事は計上可能)、(補助事業計画「3. 業務効率化(生産性向上)の取組内容」に記載した場合に限り)従業員の作業導線改善のための、従業員作業スペースの改装工事

対象外経費

補助事業で取り組む販路開拓や業務効率化(生産性向上)に結びつかない工事(単なる店舗移転を目的とした旧店舗・新店舗の解体・建設工事、住宅兼店舗の改装工事における住宅部分、既存の事業部門の廃止に伴う設備の解体工事など)

3.申請の大まかな流れ

小規模事業者持続化補助金の大まかな流れは下記の通りです。

  1. 計画書の作成・提出
  2. 受理・審査
  3. 実行
  4. 実績報告書提出
  5. 支給

計画書の作成・提出

計画書の作成方法に決まりはないですが、実際に書類が通貨した際に意識した点をお伝えします。

見やすく色や画像などを使う

小規模事業者持続化補助金の応募数は20,000~30,000件で、通過率は20~30%程度です。その膨大な数を、審査員が1つ1つ全て丁寧に見てるはずもなく、「足きり」として、「不備・見ずらい・内容が薄い」は問答無用に審査の対象外となっているでしょう。

そのため、まずはシンプルにわかりやすく、かつ画像などを入れてわかりやすく作ることが最も重要です。機械的に行われているのではなく、手作業だという事を念頭に置きましょう。

計算の整合性

上記の理由と同じですが、提出書類の数字は全て計算が合っているか確かめましょう。

ビジョンを語る

大切なのは、事業主の”想い”です。独自性があり、今後どうなっていくかを予測し、その未来予想図に対して自社の商品がどう活きるかを明確にしめすことが重要です。

具体的な審査の基準

実際に、審査の基準を公表していますので、参考にしてください。

Ⅰ.基礎審査

①必要な提出資料がすべて提出されていること

②「2.補助対象者」(P.38~40)および「3.補助対象事業」(P.41~43)の要件に合致すること

③補助事業を遂行するために必要な能力を有すること

④小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること

Ⅱ.加点審査

①自社の経営状況分析の妥当性
◇自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。

②経営方針・目標と今後のプランの適切性
◇経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
◇経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

③補助事業計画の有効性
◇補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
◇地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
◇補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
◇補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。

④積算の透明・適切性
◇事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか。

気を付けるべき点

計画の作成・提出で最も気を付けるべき点は、「事業支援計画書」(様式4)・「事業承継診断票」(様式6)です。

提出書類の中で、地域の商工会議所から交付してもらう書類があります。この書類は、申請後すぐにもらえるのものではなく、長いと2週間は要します。

そのため、受付締切の遅くとも2週間前には「事業支援計画書」(様式4)・「事業承継診断票」(様式6)の作成・交付依頼をしましょう。依頼に必要な書類は、「経営計画書」(様式2)・「補助事業計画書」(様式3)の写しです。

受理・審査

書類の提出が無事終わりましたら、受付締切後約2ヵ月間は審査の期間になります。採択の結果は、提出した書類のメールアドレスに商工会議所のURLが送られてきて、そこに記載されています。

実行

書類が無事通過し、決定通知書が送られてきます。決定通知書が送られてきた後の経費が対象となります。

気を付けるべき点

実績報告書の提出の際に気を付けるべき点でもあるが、基本的には「見積書」、「請求書」、「納品書」、「領収書」の4枚が必要になります。但し、旅費交通費は対象外となります。

また、宛名は必ず申請時に提出した宛名にしましょう。

実績報告書提出

一番大変なのがこの実績報告書の作成で、その中でも経費に関してはとても細かく記述する項目があります。必要な情報は「項目」、「金額」、「決済日」、「支払日」、「支払った対象」、「内容」です。

特に、「決済日」と「支払日」は異なる場合(クレジットカード決済)は、お気を付けください。

まとめ

小規模事業者持続化補助金は使い勝手がよく、最大50万円貰える助成金なのでとてもおすすめですが、細かく書類の保管をしていないと、支給対象外となってしまいますので、十分お気を付けください。

中澤 寛

マザーズ上場・200ヵ国を周る・100人チームを作る、人生をかけて本気でチャレンジするブログ。

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