ロシアワールドカップを見に行って感じたロシアの貧富の差
2018.07.18
先日、ロシアワールドカップを見にいきましたが、世界を背負って戦うってやっぱり素敵ですね。
どの国の人々も、自国を本気で応援していて、時折喧嘩も起こっていました。
特に中南米のお祭りごとに全力を注げる国民性はとても惹かれて、今度長期で休みが取れるときは中南米に行こうと思います。
そして、ロシアワールドカップで感じたことは、サッカーとは別のロシアの貧富の差について。
実際に見た光景、現地の人に聞いたことを踏まえ、ロシアの現実について見ていきたいと思います。
80代のおばあちゃんが路上で商売をしないと生活できない
私が見た試合は、ロシアの「カザン」という地域で行われました。
カザンはロシアの中で、いわゆる”田舎”で、ロシアというと雪をイメージしますが、正反対の砂っぽい地域でした。
街全体が賑やかで、「ワールドカップが行われてるんだ〜!」とワクワクを助長させるように、街全体がワールドカップ色に染まっていました。
ロシアで一番の問題は”英語が通用しない”という点で、英語を話してもほとんど通用しません。
宿も予約せずロシアに来たので、とりあえず一番大きな街に行きたいとジェスチャーで伝え、おそらくカザンで一番中心街にたどり着きました。
中心街は賑やかで、おばあちゃんが露天などをやっており、「ワールドカップがあるから露天とか出てんのかなー」とか、「市場みたいに、毎日やってるのかな」とか、呑気に考えていたのですが、実際はそんな甘い話ではなくて、露天をしないと生活できないからやっているという現実があったのです。
他にも、アルバイトに80代くらいのおばあちゃんがいたりと、少し不思議に思ったこともあり、現地の人に聞いてみると、
「彼女らは毎日働いているよ。働かないと食べるものも買えないからね。この貧富の差は、全ては政府のせいだ。」
と言われ、この事実が衝撃的すぎて、早速日本に戻って調べて見ました。
軍事力を得た引き換えに失った産業力
何故、ロシアの貧富の差は生まれたのだろうか、その大きな要因が圧倒的な軍事力を得た引き換えに失った産業力です。
産業力の低下を理解するために、少しだけ歴史を遡ります。
ロシアの前身である旧ソビエト連邦時代(1922年〜1991年)、ちょうど戦争真っ盛りの時代で、この時給ソビエト連邦は国のお金のほとんどを軍事産業に注ぎ込みました。
そのため、ロシアは戦争で、ドイツ、フランスなどのヨーロッパの大国に対し、次々と勝利を収めました。
しかし、軍事力の成長が著しかった反面、産業の成長には失敗し、国力を測るGDPでは世界第12位で、GDPの7割以上を天然資源に依存しているという点です。
そのため、景気が天然資源に大きく影響し、また産業が発達していないからこそ仕事が公務員しかないという現状があるのです。
貧困ラインを下回る生活をしている人数は2,000万人
どのくらいの貧困層がいるかというと、現在でも2,000万人おり、貧困層のほとんどが”失業”ではなく”公務員”という点です。
ロシアは産業が発達せず、ほとんどを天然資源の輸出に頼っています。
国でお金が生み出されているわけではなので、公務員はどうしてもパイの奪いにならざる終えません。
それでも、プーチン大統領は雇用を生み出すために公務員を増やし、さらなる貧困を生み出しました。
この問題を解決するには、競争力の高い企業が成長して雇用を生み出すしか方法がないのです。
しかし、ロシアでは起業家が育たない環境ができてしまっているのです。
信用ゼロのロシア人
起業家が生まれる場所としてよく取り上げられるのがシリコンバレーです。
シリコンバレーの特徴としては、有能な人材と投資家を結ぶプラットフォームができているという点で起業しやすい環境ができているのですが、要は起業をする上で最も重要なのが“資金”になるのです。
しかし、ロシアは過去に世界に対して数多くの裏切りを行なっており、“ロシア人は人を簡単に裏切る”というイメージを持たれています。
過去に裏切りを行なった一例です。
- ネルチンスク条約違反
- 日ソ中立条約破棄
さらに、ロシアという国柄、民族問題を抱えており、テロの危険性もあるため、なおさら投資家の投資対象としては程遠い位置にあるのです。
これがロシアの貧困が解決しない根本の問題だと認識しました。
足を運んでみることが大切
現代では情報が出回っているため、日本にいても海外の情報はたくさん入って来ます。
しかし、実際に海外に行ってみると、感じ方が全く異なり、多分日本にいたら気づかない世界のことがわかるとともに、海外に行った多くの人が言う「日本はすごい国」ということがわかります。
是非、海外に足を運んで見てください。
いい意味で、価値観がぶっ壊れます。