日本が植民地にならなかった理由とは?タイとは決定的に違う理由とは
2018.07.11
アジアには50近くの国がある。
その中で、植民地にされなかった国が2ヶ国あります。
- 日本
- タイ
数あるアジア諸国の中で、なぜ日本、またタイは植民地にされなかったのが、ここからわかる日本という国がどういう地域かを見ていきたいと思います。
日本・タイが植民地にされなかった理由
日本とタイが植民地にされなかった理由はそれぞれ異なり、
- 日本:費用対効果が悪いから
- タイ:タイの左右の国を植民地にしているフランスとイギリスが衝突を避けて植民地化を進めなかった
です。
そもそも何故アジアは植民地の対象となったのか?
植民地の始まりは交易を潤滑に行うためでした。
ヨーロッパ諸国は肉文化であり、保存や味を変えるための調味料として香辛料が非常に人気でした。
ただ、香辛料はジメジメした地域でしか栽培ができず、アジアの地域でしかできなかったため、交易でしか入手することができませんでした。
その交易を担っていたのが東方貿易というもので、地中海を経て入手していたのですが、オスマン帝国が地中海を独占し、膨大な中間マージンを取っていたため、香辛料は非常に高値で取引されていました。
そこで、ヨーロッパの大国は「だったら自分たちで交易を始めよう」ということで、アジアに直接船を出して交易を始めることになったのです。
当時、アジアの中でもっとも交易が盛んだったのがインドであり、そのためヨーロッパはインドを狙ってアジア進出を始めたのです。
ただ、インドまで直接行くには非常に困難なため、途中の中継地点として、都合のいいアジア地域を植民地にしたというわけです。
そして、植民地にするのは容易なことではなく、莫大な費用と犠牲がかかりました。
船で移動するだけで多大な死者が生まれ、かつ原住民との戦争で消耗するのですから。
そこでヨーロッパが行ったことが、「植民地にした地域で農業や工業を行い、生産されたものをヨーロッパで売ろう」という行動で、ここから搾取が始まったのです。
タイが植民地化を免れた理由
本題に戻りますが、タイが植民地にならなかった理由は、タイの左右の国を植民地にしていたイギリスとフランスが衝突を避けたからです。
タイを植民地にするメリットと、衝突することによるデメリットを天秤にかけたところ、結果として不要という判断がされたのです。
日本が植民地化を免れた理由
日本が植民地化を免れた理由は、費用対効果が悪いからです。
元々、ヨーロッパの諸国が植民地化を進めた理由は交易を活発にするためです。
その交易としても日本は香辛料を輸出していた訳でもないため、魅力があまりありません。
かつ植民地にすることは容易なことでなく、船を出すのにも
- 人件費
- 食費
- 造船費
- 医療費
等はバカにならなく、また当然現地人は争うので、多数の犠牲者が出ます。
中央集権国家として大きな力を持っていた日本を植民地にするには、島国という地形的にも非常に困難であり、ヨーロッパ諸国にとって費用対効果が悪かったのです。
そのため、日本は植民地にならずに済んだのです。
何か特別な力があった訳でなく、現実的に日本は植民地の対象ではなかったのです。
強いていうなら、日本は運が良かったのでしょう。
日本・タイの植民地の歴史まとめ
- 日本が植民地化を免れたのは費用対効果が悪かったから
- タイが植民化を免れたのは左右の国を植民地化していたイギリスとフランスが衝突を避けたから