「会計上」と「税務上」の違いは?会社会計と税務会計
2018.09.10
時々出てくる「会計上では〜」と「税務上では〜」という言葉。
何が違うの?と単純な疑問が僕の頭の中をよぎりました。
気になったらすぐに調べないと気が済まないので、「会計上」と「税務上」の意味の違いについて調べて見たいと思います。
会計と税務の違いは”誰のため”の計算処理方法かという点
会計上・税務上での大きな違いは、誰のために行う計算か、という点です。
会計は株主や出資者に対しての「企業会計」
会計は、主に株主や出資者に対して行う「企業会計」で、下記のように計算されます。
利益=収益−費用
税務は税金を収めるための「税務会計」
税務は法人税法に乗っ取り、税金を収めるための「税務会計」で、下記のように計算されます。
所得金額=益金−損金
会計の「収益」「費用」と税務の「益金」「損金」は異なる
基本的には会計と税務の計算は”利益”を求める計算のため同じですが、それぞれ算入範囲が若干異なります。
「費用」としては認められるが「損金」としては認められないものを「損金不算入」と言い、逆は「損金算入」と言います。
また、「収益」としては認められるが、「益金」としては認められないものを「益金不算入」と言い、逆は「益金算入」と言います。
収益 | 益金 | 費用 | 損金 | |
---|---|---|---|---|
益金算入 | × | ○ | – | – |
益金不算入 | ○ | × | – | – |
損金算入 | – | – | × | ○ |
損金不算入 | – | – | ○ | × |
さらに、一時的な税務と会計のずれを「一時差異」と言い、永久的な税務と会計のずれを「永久差異」と言います。
具体例として、「交際費」は「損金不算入」であり、「永久差異」に分類されます。
会計上と税務上のその他の違い
計算方法だけでなく、「減価償却の耐用年数」なども異なります。
税務上では「法定耐用年数」が決まっており、減価償却の期間はあらかじめ決められているが、実際の耐用年数は会社ごとで異なるため、会計上は実際の耐用年数で計算を行います。
「減価償却の対象年数」は、税務上は定められたルールがあり、会計上は会社ごとに決めることができるのです。
まとめ
会計上と税務上の大きな違いは下記2点です。
- 「会社会計」か「税務会計」
- 「法廷耐用年数」か「会社ごとの耐用年数」
これで「会計上の〜」や「税務上の〜」なんて言葉が出てきても、「会社会計か税務会計の違いね」とわかりますね。