個人事業主が初めて週20時間以上働く従業員を雇用する際の労働保険の2つの手続き
2018.10.05
路上で靴磨きやホッカイロ販売をしていた僕が、とうとう従業員を雇うことになり、労働保険の手続きを行ってきました。
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従業員5人未満の会社は社会保険加入の義務はないため、労働保険(労災保険と雇用保険)の手続きを、労働基準監督署とハローワークで行ってきました。
当日必要なものは「印鑑」と「本人と事業所の関係がわかるもの(自宅であれば免許証でも可)」のみで、書類等は当日記入で問題ありません。
実際にどのような手続きを踏むか、細かく見ていきたいと思います。
※従業員が5人以上の個人事業主、あるいは法人の場合は社会保険の加入が必須ですので、手続きをお忘れなく。
週20時間以上の従業員を雇用した場合は「労働保険」への加入手続きを行う
従業員を雇用することが決まったら、「労働保険」の加入の手続きを行います。
「労働保険」とは「労災保険」と「雇用保険」の総称を指し、それぞれ「労働基準監督署」と「ハローワーク」で手続きを行う必要があります。
労災保険 | 雇用保険 | |
---|---|---|
管轄 | 労働基準監督署 | ハローワーク |
保険加入要件 | 従業員を雇ったタイミング | 週20時間以上働く 従業員を雇ったタイミング |
必要書類 |
|
|
保険料の 労使負担割合 |
使用者全額負担 | 労使折半 |
労災保険加入の手続きを行っていないと、雇用保険の加入手続きができないので、必ず労働基準監督署から行きましょう。
労働基準監督署で「労災保険」の手続き
労働基準監督署は「労基」とも言われ、事業所がちゃんと運営されているかを監視する役割を持つ機関です。
残業代・最低賃金などの給料面や、セクハラ・パワハラなどの労働環境のチェックを行う機関で、労災保険の窓口になります。
労災保険は、例えアルバイトを雇用していても加入する必要があるので、誰かを雇用したら必ず加入しましょう。
労働基準監督署で提出する書類は下記2つです。
- 労働保険関係成立届
- 労働保険 概算・確定 保険料申告書
どちらの書類も、
- 代表者名
- 代表印
- 事業所名
- 事業所の住所
- 雇入れ時期
の記入のみなので、10分程度で終わります。
また、労災保険に加入したタイミングで、従業員の年間の給料の概算から労働保険料が計算され、納付するよう「領収済通知書」が渡されます。
「領収済通知書」は初めての時は、全て労働基準監督署の方が記入してくれるので、帰りに金融機関により、払い込みを済ませてしまいましょう。
ハローワークで「雇用保険」の手続き
ハローワークは「公共職業安定所」ともいい、主な役割は
- 1.無料の職業紹介
- 2.失業給付の支給
- 3.雇用保険事業の実施
を持つ機関です。
従業員1人1人の雇用保険の加入手続きも、ハローワークで行います。
ハローワークでは、週20時間以上働く従業員を雇用したタイミングで、下記2つの書類を提出します。
- 雇用保険適用事業所設置届
- 雇用保険被保険者資格取得届
上記書類の作成の際に、従業員の「生年月日」を記入する欄があるので、把握しておきましょう。
また、「雇用保険適用事業所設置届」を提出する際、労働基準監督署で作成した「労働保険関係成立届」と「労働保険 概算・確定 保険料申告書」が必要なので、必ず持参しましょう。
ハローワークの雇用保険関係の手続きも、混んでいなければ15分程で終わります。
既に従業員を雇っていたが労働保険の手続きを忘れてしまっていた場合は?
従業員を雇っていたが、手続きを忘れていた場合はどうなるのでしょうか。
実際、僕が労働保険の手続きをした際も、既に従業員を雇っている状態で手続きをしに行きました。
その場合、余計に書類を提出する必要があります。
- 従業員の雇用契約書
- 給与の支払いが確認できる書類
ただ、上記は八王子ハローワークで求められた書類なので、管轄のハローワークによっては対応が異なる場合もあるので、事前に電話で確認してください。
最悪、郵送対応可能なので、行ってみて必要な書類を確認しても問題ありません。
助成金を活用する際に必ず必要になる4つの書類
従業員を雇うのであれば是非活用したいのが「助成金」です。
助成金は主に厚生労働省管轄の支援金で、「待遇改善」「能力開発」「職場改善」等を実施すると支給されます。
ただ、どの助成金も必ず必要になるのが4つの書類です。
- 雇用契約書
- 出勤簿
- 賃金台帳
- 就業規則
上記書類は必ず必要になるので、早いうちに作成しておきましょう。
上記は「社会保険労務士」の資格を持っている方が非常に得意なので、いっそのこと全て作成してもらうのも1つの手です。
全て作成してもらうとなると、10万円程度は覚悟しておいてください。
まとめ
以上が、従業員を雇った際に行う手続きについてでした。
経営者としてやるべきことは誰も教えてくれないので、積極的に公的機関に相談しに行きましょう。