即時償却のメリットとは?減価償却・特別償却の違いや資産を即時償却にする3つの制度

起業・経営

10万円以上の資産は減価償却するのですが、条件を満たせば即時償却・特別償却の経費計上方法があります。

それぞれの違いは経費計上する時期の違いで、利益を繰延することができます。

では、即時償却はどれほどのメリットがあるのでしょうか。

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即時償却のメリットは?減価償却・特別償却との比較

女性が両手をあげて首をかしげている様子

即時償却・減価償却・特別償却の3つの資産の費用計上がありますが、グラフで見た方がわかりやすいので、300万円の耐用年数3年の資産でグラフにしてみます。

1期2期3期
減価償却100万円100万円100万円
特別償却150万円75万円75万円
即時償却300万円0万円0万円

即時償却の一番のメリットは年度に全額損金できる点です。

利益が大きくなった年度に取得した資産を全て経費計上できるので、利益の変動に柔軟に対応できる償却方法です。

節税ではなく、あくまで利益の繰延だということを認識しておいてください。

3,000万円の利益が3年発生した場合の、減価償却と即時償却それぞれを実際に計算してみましたので、参考程度にみてください。

1期目2期目3期目合計法人税額
利益3,000万円3,000万円3,000万円
即時償却3,000万円0円0円
課税利益0円3,000万円3,000万円
課税合計額
(23.2%)
0円696万円696万円1,392万円
1期目2期目3期目合計法人税額
利益3,000万円3,000万円3,000万円
減価償却1,000万円1,000万円1,000万円
課税利益2,000万円2,000万円2,000万円
課税合計額
(23.2%)
464万円464万円464万円1,392万円

一括償却は?

一括償却は上記3つと異なり、10万円以上20万円以下の資産を、3年間で取得金額の1/3ずつ経費計上します。

10万円以下の資産に関しては、一括償却と即時償却可能です。

減価償却資産を即時償却にする3つの方法

3本指

即時償却は非常に有益な方法ですが、通常は資産は減価償却として費用計上されます。

減価償却資産を即時償却するには、大きく分けて3つ方法があります。

少額の減価償却資産

1単位当たりの取得価格が10万円未満のものは「少額の減価償却資産」という扱いで、「消耗品費」として即時償却することができます。

1単位当たり、というのは注意が必要で、国税庁のページには下記のように記載されています。

応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものですから、1組で10万円未満になるかどうかを判定します。
また、カーテンの場合は、1枚で機能するものではなく、一つの部屋で数枚が組み合わされて機能するものですから、部屋ごとにその合計額が10万円未満になるかどうかを判定します。

出典:https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/5403.htm

少額減価償却資産の特例

少額の減価償却資産は10万円までの減価償却資産ですが、少額減価償却資産の特例という制度を利用すれば最大30万円までの減価償却資産を即時償却することができます。

対象事業者の主な条件は下記2つです。

  • 従業員が1,000人未満
  • 資本金・出資金が1億円未満

少額減価償却資産の特例を利用するには、確定申告を青色申告で行い、「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」の提出が義務付けられています。

その他に、対象期間は平成32年3月31日まで減価償却資産の合計額が300万円までという制限もありますので、ご注意ください。

中小企業経営強化税制

期間平成29年4月1日〜平成31年3月31日
対象事業者
  • 資本金10億円以下
  • 従業員2,000人以下

経済産業局が行う経営力強化の制度で、経営計画を策定し、経済産業局と国の認定を受けた減価償却費を即時償却することができます。

中小企業経営強化税制では、「生産性向上設備」と「収益力強化設備」があり、それぞれの条件は下記の通りです。

類型生産性向上設備収益力強化設備
要件生産性が旧モデル比平均1%以上向上する設備投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備
確認者工業会等経済産業局
対象
設備
  • 機械装置(160万円以上/10年以内)
  • 測定工具及び検査工具(30万円以上/5年以内)
  • 器具備品(※1)(30万円以上/6年以内)
  • 建物附属設備(※2)(60万円以上/14年以内)
  • ソフトウエア(※3)(情報収集機能及び分析・指示機能を有するもの)(70万円以上/5年以内)
  • 機械装置(160万円以上)
  • 工具(30万円以上)
  • 器具備品(※1)(30万円以上)
  • 建物附属設備(※2)(60万円以上)
  • ソフトウエア(※3)(70万円以上)

中小企業経営強化税制では、固定資産税が3年半分になったり、資金調達での優遇措置などが受けられます。

まとめ

即時償却を活用すれば、大きく利益ができたタイミングで経費計上することができるので、大きな節税効果を見込めます。

特に、中小企業経営強化税制に関しては、あまり知られていない制度であり、平成31年3月31日までなので、活用できそうであれば活用してみてください。