起業時の不安10選と科学的根拠のある不安の解消法3選
2018.12.06
起業は砂漠のど真ん中に放り込まれるようなものです。
何が正解かわからず、手探り状態でも前に進まなければいけないという不安に常に駆られます。
かくいう私は、社会人経験すらないまま起業したので、本当に無我夢中で走り続けてきました。
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これから起業を志す方の中にも、起業に不安を感じて躊躇している方も多いと思います。
今回は、起業にまつわる10の不安と、科学的に証明された不安に打ち勝つ方法3選を紹介したいと思います。
起業時に感じた不安10選
実際に私が感じた、起業時の不安10選を紹介します。
1.ゴールの見えないマラソン
起業は砂漠のど真ん中に放り出された状態と同義だと思っています。
砂漠のど真ん中で自分の現在地もわからず、ゴールに対して正しい方向に進めているのかも分からない状態で、走り続けているのと同じ気持ちになります。
2.掲げた目標に幾度となく絶望する
起業時に大口を叩いたはいいものの、目標に対して全く届く気配を感じないことは多々あります。
本気で事業に取り組めば取り組むほど、事業の奥深さを知り、自分が掲げた目標の高さに絶望します。
3.事業への将来性への不安
今やっていることが、技術革新によって淘汰されてしまうのではないかという不安です。
せっかく作ったサービスが時代の変化に取り残されてしまうのではないか、培ったノウハウが役に立たなくなるのではないかというものです。
4.事業資金が底を尽きてしまうキャッシュフローへの不安
恐らく最も多い不安が「事業資金の枯渇」です。
仮に、従業員を3人雇い事務所を構えるだけで、社会保険料も含めると月に100万円程度かかります。
さらに、従業員はすぐに売上を作れるわけではないので、全ての売上を自分で作らなければなりません。
将来の収支を計算すると、事業資金が底を尽きてしまうというキャッシュフローへの不安はいつまでも拭えません。
5.常に仕事をしていなければいけないという焦燥感
人によるかもしれないですが、仕事をしなければならないという焦燥感に駆られます。
少し休むだけで、競合他社に先に行かれてしまうのではないか、抜かれるのではないという心配になり、少しの休みの日も気が休まりません。
特に1年目は、1日も休みがなくなります。
6.失敗は全て自己責任
会社員の場合は失敗しても”会社の責任”でしたが、起業したら全て自分の責任になります。
当然、数百万円の賠償なんてこともザラにあり、実際に僕も最大1,000万円の損失を出して苦労しました。
賠償金の支払い、謝罪の電話など、全く事業に集中できない時期がありました。
7.社会保険の払うお金が想像以上に多い
実は、会社は従業員の社会保険の半額を負担する義務があります。
例えば全従業員で月に30万円の社会保険料を支払っている場合、15万円は会社が負担する義務があります。
事業の固定費以上に、社会保険料や税金などの支出は大きなダメージです。
8.人が離れていく不安
事業がうまく行かず、またメンバーと意見が合わず、メンバーと衝突して離れていってしまうことは多々あります。
人がいないと回らないことも多く、常に人材の確保は不安材料の1つです。
9.周りの成長との比較からの不安
起業当初は、周りの友人・知人よりも収入が高くなる傾向があり、また自由に挑戦できるので比較的楽しく過ごせます。
しかし、やっている規模感はあくまで起業レベルであり、大手の大きなプロジェクトの予算と比べたらちっぽけなものです。
周りの友人は数億円規模のプロジェクトに参画している反面、自分は数百万円の売上を追っている状況に、成長という観点において不安に思います。
起業時はいいですが、30代になっても小さな仕事をしていると不安はより一層高まります。
10.”万が一”が頭から離れない不安
「何かあるんじゃないか」という漠然と不安は付きまといます。
「何か」の正体はわかりませんが、万が一と隣り合わせだという思いは拭えません。
起業時の不安の正体
上記10の不安をまとめると、不安の正体とは「想定外」ということがわかるはずです。
例えば、「この道を5分まっすぐ歩けば、必ずゴールに辿り着く」と分かっていれば、不安は全くないはずです。
しかし、360℃どこにでも進める道があり、かつゴールがあるかもわからない状態は不安で一杯のはずです。
何が起こるかわからない、という先が見えない状態が不安の根源なのです。
しかし、不安はマイナスの側面だけでなく、心地よい緊張感をもたらすといったプラスの側面もあります。
そのため、不安とはいい関係を続けることが最適であり、次は科学的に証明された不安にやられないメンタル作り3選を紹介します。
【科学的証明有り】不安に負けないメンタル作り3選
不安に負けないようなメンタルを作る3つの方法は下記の通りです。
- マルチタスクをやめてワーキングメモリへのダメージを減らす
- 最悪を想定して不安をなくす「防衛的ペシミズム」
- 「DLPFC」に刺激を与えて不安から強くなる
順に説明していきます。
マルチタスクをやめてワーキングメモリへのダメージを減らす
不安を断ち切る最も簡単な方法がマルチタスクをやめることであり、具体的にはスマホをやめることです。
マルチタスク(Multi Task)はコンピューター用語で、「複数のことを同時に取り組む」ことを指す言葉です。
2011年の実験で、マルチタスクに取り組むと、情報処理能力を司るワーキングメモリを破壊するだけでなく、セルフコントロール能力が落とすことが判明しています。
ワーキングメモリ・セルフコントロール能力が落ちると、立てた目標に対して思い通りに行動できず、自己嫌悪に陥ります。
そして、セルフコントロールが落ちると「スマホ依存」が始まり、余計に集中力が奪われ、マルチタスクになってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
2013年に行われた318人を対象にした実験では、スマホの利用度と心理状態の関係を測定したところ、スマホの依存度が高い人ほど社会的不安や鬱傾向が高いということが判明しています。
スマホが全て悪いというわけではなく、スマホによって集中力が奪われることが問題なので、通知を切るなど、できる限りスマホから離れた状態で仕事に取り組むようにしましょう。
最悪を想定して不安をなくす「防衛的ペシミズム」
先ほど、不安の正体は「想定外」ということをお伝えしましたが、想定外をなくす方法が「防衛的ペシミズム」です。
防衛的ペシミズムは”最悪の状況を想像する”ことであり、徹底的に最悪の状況を想像することが、想定外をなくすことに繋がるのです。
つまり、不安に感じる人は、もっと徹底的に不安を想定する必要があるということです。
「DLPFC」に刺激を与えて不安から強くなる
DLPFCは日本語訳で「背外側前頭前野皮質」であり、前頭葉の中で「モチベーション」と「ネガティブ」をコントロールする場所です。
つまり、DLPFCを活性化させることで、感情のコントロールができるようになり、不安へ強くなるということです。
DLPFCを活性化させる方法は脳に負荷をかけることであり、下記が実際に行われた実験です。
下記、2つのグループに分け実験を行いました。
- 記憶力を使うタスクを行なったグループ(暗算とか神経衰弱)
- 何もしなかったグループ
その後、2つのグループに対して、わざと不安を感じるような状況において、ファンクショナルMRIで脳波の動きを測定しました。
その結果、前者の「記憶力を使うタスクを行なったグループ」はDLPFC(背外側前頭前野皮質)という機能が活性化したということがわかりました。
つまり、脳に負荷をかけることでDLPFCが活性化し、不安に強くなるということです。
積極的に、記憶力などを問う課題に取り組むようにしましょう。
不安を味方にする
感情はあくまで「現象」であり、その現象の受け止め方によって「行動」が変わり、「結果」が変わります。
「不安」という感情は決してマイナスの側面だけでなく、身体に緊張感をもたらして臨戦態勢に入る効果もあります。
つまり、不安という感情を受け入れて、不安という感情をうまく活用することが大切だということです。
不安をマイナスに捉えるのではなく、心地よい緊張感を持ちながら、不安を持ちながら挑戦していきましょう。