
資本金を決める際に気をつけるべき3つのポイント

株式会社を設立する際に「資本金っていくらに設定すればいいんだろう?」と気になるかと思います。
結論から言うと、設立当初はお金を借りることを想定して100万円程度に設定し、必要に応じて資本金の増資の手続きを踏めば問題ありません。
そして、気を付けるべき点は、資本金の額が高くなればなるほど、受けられない特典があります。
そこで、今回は資本金を決める際に注意しておくべき3つのポイントについてお伝えします。
資本金は自由に使える「運転資金」

勘違いが多いのが、資本金は銀行などに保管しておかなければいけないお金だと思い込んでいる人がいますが、資本金は自由に使えるお金です。
資本金がチェックされるのは、会社設立時の「通帳コピー」に金額が記載されていれば問題なく、あとは自由に使うことができます。
それでは、資本金を決定する際に知っておくべき3つのポイントについて見ていきます。
1.消費税の免税制度を利用するなら資本金は「1,000万円未満」

消費税は「前々年度の事業の課税売上高が1,000万円を超える」と課税対象となるため、事業開始時に前々年度は存在しないので、必然的に消費税が免除されます。
しかし、例外があり、資本金が1,000万円を超えている場合は「前々年度の事業の課税売上高が1,000万円を超える」が適用されず、初年度から消費税が発生してしまいます。
消費税の計算は、おおよそ売上の8%(国税7.8%、地方税1.7%)相当になるため、例えば1年目に500万円、2年目に1,000万円の売上高があった場合、おおよそ2年間で120万円の消費税の納税義務が発生してしまいます。
そのため、消費税の免除制度を利用するのであれば、資本金は1,000万円未満に抑えましょう。
2.法人住民税均等割額を最小にとどめるなら資本金は「1,000万円以下」

個人住民税があるように、法人という人格が与えられた会社にも住民税が存在します。場所代のようなものです。
法人住民税は大きく分けて「法人税割」と「均等割」に分けられ、均等割は法人の所得に関わらず一定額を納税することになるのですが、資本金が一定額を超えると均等割額が大幅に増えてしまいます。
僕が生まれ故郷の八王子は下記の通りです。
資本金等の額または資本金の額及び資本準備金の額の合算額 | 従業者数 | 税率(年税額) |
---|---|---|
50億円を超える法人 | 50人超え | 3,000,000円 |
50億円を超える法人 | 50人以下 | 410,000円 |
10億円を超え50億円以下の法人 | 50人超え | 1,750,000円 |
10億円を超え50億円以下の法人 | 50人以下 | 410,000円 |
1億円を超え10億円以下の法人 | 50人超え | 400,000円 |
1億円を超え10億円以下の法人 | 50人以下 | 160,000円 |
1千万円を超え1億円以下の法人 | 50人超え | 150,000円 |
1千万円を超え1億円以下の法人 | 50人以下 | 130,000円 |
1千万円以下の法人 | 50人超え | 120,000円 |
1千万円以下の法人 | 50人以下 | 50,000円 |
上記以外の法人等 | なし | 50,000円 |
3.中小企業の特典を受けるためには「資本金1億円以下」

助成金・補助金や国の制度の中で、「中小企業を対象」の制度は非常に多いです。
そして、中小企業の範囲の基準は「従業員の数」と「資本金の額」によって決まり、特に資本金に関しては「1億円」を境界線とするケースが非常に多いです。
中小企業が受けられる各種制度の参考例をまとめて見ました。
制度名称 | 詳細 |
---|---|
中小企業の軽減税率 | 通常、年800万円の所得があった場合、法人税率は23.2%となるのに対し、中小企業の軽減税率を活用すれば、法人税率が15%となります。 |
中小企業経営強化税制 | 経営力向上計画の認定を受けた中小企業は、固定資産税が3年間1/2へ免除されたり、減価償却資産を即時償却可能となります。 |
少額減価償却資産の特例 | 中小企業を対象に、取得金額が30万円未満の減価償却資産(少額減価償却資産)を年度で全額損金として計上することができます。 |
まあ、資本金が1億円を超えることはほとんどないと思いますので、あまり気にしなくていいかなと思います。
まとめ
資本金を高く設定しなければならない時は、主に取引先への信用です。
取引先によっては、資本金額が一定以上ないと取引してくれない可能性があります。
また、金融商品を購入する際に、資本金による制限がある場合もあります。
資本金は最初は可能な範囲で設定し、必要なタイミングで増資すれば問題ないので、そこまで高く設定する必要は特にありません。
資本金の増資手続きも、1ヶ月あれば可能なので、必要なタイミングがきたときに増資すれば問題ないでしょう。
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