残業代未払いを防ぐ、正しい労働時間の計算方法

1961年に東証一部上場を果たした大和ハウス工業ですが、2011年1月27日に残業代未払いの是正勧告を受けている。その内容は、2009年1月~2010年12月までの残業代未払いについてで、総額が32億614万円となった。

当時サービス残業が多発していたこともあり、”意図的”の可能性もありますが、多くの経営者が知らず知らずのうちに残業代を未払いしているケースが多発してます。一人一人は小さな額でも溜まりに溜まるととんでもないことになります。

そこで、今回は知らず知らずのうちに行っている未払いの残業代を防ぐため、出勤簿の労働時間の計算方法、残業代の計算方法など、正しい残業代の計算方法をお伝えします。

1.正しい労働時間の計算方法、賃金の給料の算出方法まで!

使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。

使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。

使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

労働時間について、労働基準法では上記のように定められています。これを守らないと、「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」または「30万円以下の罰金」に課せられます。

上記の中で、正しい労働時間から給与の計算をするにあたり、重要となってくるのは「1日8時間、1週間40時間」という箇所です。「1日8時間、1週間40時間」内を法定労働時間と呼びます。

1-1所定労働時間と法定労働時間

労働時間には大きく分けて3つあります。それが、『所定労働時間』、『法定労働時間』、『時間外労働』です。

1-1-1.所定労働時間

会社ごとに設定しているもので、企業が定めた就業規則や雇用契約書に書かれている労働時間を指します。

所定労働時間を超えても、残業代は発生しますが、法定労働時間内での所定労働時間には割り増し賃金は発生しません。

1-1-2.法定労働時間

労働基準法で定めた「1日8時間、1週間40時間」が法定労働時間となります。この法定労働時間を超えた場合を『時間外労働』と呼び、割増賃金が課せられます。60時間までは25%増、60時間以上は50%増となります。
※ただし、平成31年3月31日までは60時間以上でも、中小企業の場合は25%増となる。

所定労働時間・・・7時間/日、時給・・・1,000円

8時間 6時間 7時間 9時間 8時間 None None

上記の出勤簿の場合、下記のような計算になります。

8h×1,000円+6h×1,000円+7h×1,000円+8h×1,000円+8h×1,000円=37,000円

1h×1,250円=1,250円

37,000円+1,250円=38,250円

所定労働時間を超えている日は月曜日、木曜日、金曜日とありますが、この中で法定労働時間(1日8時間)を超えているのは木曜日だけなので、木曜日の超えた1時間だけ、25%増割増し賃金が発生しています。
※所定労働時間外労働にも割増賃金を払っている会社もあります。

1-1-3.時間外労働

原則、上記の法定労働時間を超えた場合を指す労働時間で、下記の割増賃金が発生します。

残業時間が60時間未満 25%増
残業時間が60時間以上 50%増

また、割増賃金として、他にも『休日出勤』、『深夜労働』等があります。

休日労働

休日には2種類あります。『法定休日』と『所定休日』です。

内容 割増賃金
法定休日 1週間に一度の休日。
※4週間に4回の休日でも可能。
35%増
所定休日 上記の休日にさらに付与する休日。 なし

法定休日は原則週1日は作らなければならず、所定休日はさらに+1日分となります。両休日とも、曜日を定めなくても構いません。

深夜労働

原則、22:00-5:00の間に労働させた場合、25%割増賃金を支払わなければなりません。特に飲食店の場合、22時を超える場合は気をつけてください。

2.少し変わった労働時間

上記の原則の労働時間や割増賃金がありましたが、実は週7日勤務や、週40時間労働を超えても、割増賃金を払わずに済む方法があります。それが、『変形労働時間制』というものです。

2-1.変形労働時間制

労働基準法では、「1日8時間、週40時間」が法定労働基準として定められていますが、会社によっては月初と月末だけ忙しく、逆に2週目や3週目は暇だという会社もあると思います。

労働基準法にそのまま則ると、月初と月末だけ40時間を超えた場合、割増賃金が発生してしまいます。そんなときに活用できるのがこちらの変形労働時間制です。

変形労働時間制では、日や週単位で法定労働時間を決めるのではなく、月、あるいは年で法定労働時間を決めることができます。先ほどの例でいえば、月初と月末は40時間を超えますが、月平均で40時間の場合、変形労働時間制では割増賃金の支払い義務がなくなります。

年間でみて、繁忙期と閑散期がある場合、年間で法定労働時間を定めることができます。

2-2.みなし労働時間制(固定残業制度)

あらかじめ、みなし残業代として、一定時間の残業代を月給に組み込む制度で、会社側のメリットとしては、給与計算の余計な手間が減ることと、労働者のモチベーションをあげる(仕事が早く終われば残業せずに残業代が貰える仕組み)効果があります。

但し、みなし残業代も当然割増賃金での計算を行わなければならず、またみなし残業代分を超えた場合は当然残業代が発生します。

2-3.フレックスタイム制

労働者が一定時間内で労働時間を決められる制度で、労働者の働き方をここで定められると、こちらも働きやすい環境作りの一環として効果が挙げられます。主に『コアタイム』と『フレキシブルタイム』に分けられ、会社として決まった時間はコアタイムで、残りの時間は各々の裁量で決められるフレキシブルタイムに分けられます。

まとめ

気付かずに労働基準法違反を犯しているケースは多々あります。一度、専門の社労士に見てもらった方がいいかもしれませんね。

中澤 寛

マザーズ上場・200ヵ国を周る・100人チームを作る、人生をかけて本気でチャレンジするブログ。

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