これでわかる!キャリアアップ助成金~正社員化コース~

キャリアアップ助成金は昔からある助成金の一つで、非正規社員の待遇改善、または正規雇用労働者への転換を行った場合受給できる助成金です。ただ、「知っているが活用方法がわからない」という方も多くいると思います。

今回は、しっかりと助成金を活用してもらうために、キャリアアップ助成金の『正社員化コース』に関して、条件、必要書類、申請の流れを事細かくご説明します。これの通りに申請を行えば助成金が受給できるので、最初から最後まで読んでみてください。

1.キャリアアップ助成金とは

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規社員の労働区分のキャリアを向上させる、あるいは待遇改善に対する取り組みを行った会社へ支給されるものです。

1-1.支給対象事業主

・雇用保険適用事業所であること
・賃金台帳
・出勤簿
・就業規則

これらは、キャリアアップ助成金を申請する際に必要になりますので、準備しておくことをお勧めします。

1-2.中小企業、大企業の違い

多くの助成金は、中小企業と大企業によって受給できる金額が異なります。まずは、自社がどちらに当てはまるか確認しておきましょう。

資本金の額・出資の総額 常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下

50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

また、『短時間正社員コース』を申請する場合のみ、中小企業の定義が下記のようになります。

常時雇用する労働者の数
全業種 300人以下

1-3.生産性要件とは

2017年から新しくできたもので、3年前と比較して、生産性が上がっている企業は助成額を増額加算します、という内容のものです。その生産性の計算方法は下記の通りです。書類等を煩雑さと比較して、こちらも申請するかどうか決めましょう。

生産性 = 営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課
雇用保険被保険者数

生産性要件パンフレット(出典:厚生労働省)

2.キャリアアップ助成金の種類

キャリアアップ助成金は、大きく分けて8コースあります。2017年度より増えたものは、『諸手当制度共通化コース』、『選択的適用拡大導入時処遇改善コース』になります。

2-1.正社員化コース

最もメジャーなコースで、契約社員などの有期契約労働者を、正規雇用労働者等に転換又は直接雇用した場合に受給できる助成金です。

支給額

コース 助成額
対象 中小企業 大企業
正社員化コース ① 有期 → 正規への転換 57万円 72万円 42万
7,500円
54万円
② 有期 → 無期への転換 28万円 36万円 21万
3,750円
27万円
③ 無期 → 正規への転換 28万円 36万円 21万
3,750円
27万円

さらに、下記の特別な条件をクリアした場合は追加で貰えます。

条件 助成額
対象 中小企業 大企業
派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者として雇用した場合。 ①、③
(1人当り)
28万5,000円 36万円 大企業も同額
母子家庭の母、あるいは父子家庭の父を転換した場合。
若年者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合。

(1人当り)
95,000円 12万円 大企業も同額
②、③
(1人当り)
47,500円 60,000円
勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、有期契約労働者等を当該雇用区分に転換又は直接雇用した場合。 ①、③
(1事業所)
95,000円 12万円 71,250円 90,000円

※①、②、③合わせて、1年度1事業所当たり最大15人まで。

対象となる労働者

・支給対象事業主に6ヵ月以上雇用されていること。
・予め正規雇用労働者として雇用することを約束して雇用された有期契約労働者でないこと。
・過去3年以内に、当該事業主の事業所において雇用されていないこと。
・支給対象事業主の又は取締役の3親等以内の親族以外であること。
・転換日または直接雇用日の前日から起算して1年6ヵ月前~6ヵ月までの間に、支給対象事業主と親密な関係にある事業主に雇用されていなかった者。
・支給申請日において、転換または直接雇用後の雇用区分の状態が継続し、離職していない者であること。

申請の流れ

1.転換制度の就業規則等への規定

第〇条(正規雇用への転換)
勤続〇年以上の者又は有期実習型訓練修了者で、本人が希望する場合は、正規雇用に転換させることがある。
2 転換時期は、毎年原則4月1日とする。
3 所属長の推薦がある者に対し、面接及び筆記試験を実施し、合格した場合について転換することとする。

2.『キャリアアップ計画様式』を提出
今後の流れや、転換時期等を記載します。
キャリアアップ計画様式【PDFWord】(出典:厚生労働省)

3.正社員への転換
転換後、6ヵ月雇用を維持し、給与を支払う。

4.支給申請
転換後、6回目の給与が支払われた翌日から2ヵ月以内に支給申請を行ってください。

・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)【ExcelPDF】(出典:厚生労働省)
・キャリアアップ助成金申請書【WordPDF】(出典:厚生労働省)
・事業所確認表【WordPDF】(出典:厚生労働省)
・支払方法・受取人住所届【PDF】(出典:厚生労働省)
・管轄労働局の確認を受けたキャリアアップ計画書
・労働条件通知書 or 雇用契約書
・就業規則
・賃金台帳
・出勤簿
・登記簿謄本

追加で申請しているものがある場合は、下記の資料も必要になります。

・若者雇用促進法に基づく認定事業主に係る基準適合事業主認定通知書及び基準適合事業主認定申請書の写し
・母子家庭、父子家庭の親の転換申請を行う場合、下記いづれかの資料、又当該労働者が母子家庭、父子家庭と確認できるもの
-遺族基礎年金の支給を受けている者が所持する国民年金証書
-児童扶養手当を受けていることを証明する書類
-母子福祉資金貸付金の貸付を受けている者が所持する貸付決定通知書
-市区長村又は社会福祉事務所長が発行する特定者資格証明書
-住民票及び母子家庭の母等申立書
-その他、母子又は父子家庭を証明するもの
・生産性要件に関わる支給申請の場合の添付書類
-生産性要件算定シート(共通要領様式第2号)【ExcelPDF
-算定の根拠となる証拠書類(損益計算書、総勘定元帳、確定申告書Bの青色申告決算書や収支内訳書など)
・直接雇用前の労働者派遣契約書
・派遣先管理台帳(※事業所の労働者数が5人以下の場合は不要)

5.支給決定

支給申請をし、受理された場合指定口座に振り込まれる。

3.東京だとさらに50万円貰える?

東京だけの助成金で『東京都正規雇用転換促進助成金』というものがり、非正規労働者を正規雇用転換した場合、国から上乗せで最大50万円受給できるというものがあります。

3-1.支給要件

・東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること。
・東京労働局より、当該労働者のキャリアアップ助成金の支給決定を受けること。

3-2.支給額

区分 助成額
中小企業 大企業
有期契約労働者党から正規雇用労働者への転換または直接雇用 50万円 40万円
有期契約労働者等から無期雇用労働者への転換または直接雇用 20万円 15万円
無期雇用労働者等から正規雇用労働者への転換または直接雇用 30万円 25万円

※正規雇用等に転換あるいは直接雇用した労働者を中退共制度に加入させた場合、さらに1人当たり10万円が加算されます。

3-3.申請の流れ

1.支給申請後、2ヵ月以内に東京都へ支給申請書を提出

2.事業主と労働者とで面談し、指導育成計画所を作成

3.都へキャリアアップ助成金支給決定通知書(写し)、指導育成計画書を提出

4.キャリアアップ助成金の注意点

申請する書類が多く、途中で期間が決められてやらなければならないことが多々あります。1つでも期限を過ぎてしまうと受給できなくなってしまうので、スケジュールの管理がとてもカギになります。しっかり流れを確認しながら進めましょう

まとめ

キャリアアップ助成金の正社員化コースは最も活用してほしい制度です。これを活用できるかできないかで、60万円近くの差が開いてしまいます。また、東京だとさらに上乗せで50万円受給できるので、是非活用してほしい制度です。

「ちょっと難しい」ということであれば、キャリアアップ助成金に詳しい社労士をご紹介させて頂きますので、お気軽にご連絡下さい。

中澤 寛
マザーズ上場・200ヵ国を周る・100人チームを作る、人生をかけて本気でチャレンジするブログ。
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