研修に使える助成金!人材開発支援助成金・教育訓練休暇等制度とは

「研修に対して使える助成金はないのか」、と探している経営者の方、必見です。有給を取得して受けた研修に対して、最大60万円貰える助成金が「教育訓練休暇等制度」です。

研修を行うのであれば、是非この助成金を有効活用して頂きたいと思い、具体的な概要、申請までの流れ、支給対象外となる注意点をお伝えします。

1.簡単!人材開発支援助成金の図解

教育訓練休暇等制度は「人材開発支援助成金」の一つです。まずは「人材開発支援助成金」を体系的に理解しましょう。

訓練関連 特定訓練コース 労働生産性の向上に直結する訓練
一定の要件を満たす雇用型訓練
一般訓練コース 特定訓練コース以外の訓練
制度導入関連 キャリア形成支援制度導入コース セルフ・キャリアドック制度、教育訓練休暇等制度
職業能力検定制度導入コース 技能検定合格報奨金制度、社内検定制度、業界検定制度

2.教育訓練休暇等制度の概要

それでは、教育訓練休暇等制度の概要を説明します。

助成額 47.5万円(60万円)
対象 中小企業
todo 年次有給休暇とは別に、5年間で10日研修を受けるための有給を付与

教育訓練休暇等制度は、通常の年次有給休暇とは別に、「1年間で最低10日研修を受けるための有給を付与」という点がポイントです。

ただし、支給申請を行う上では「最低適用日数」を付与すれば支給申請が行えます。

最低適用日数って?

最低適用日数とは、支給申請を行う上で付与すべき日数です。「雇用する被保険者数」によって決まります。助成金全般ですが、「小規模」の会社の方が支給条件が簡単であったり、支給額が大きい傾向にあります。

雇用する被保険者数 最低適用人数(被保険者)
50人以上 25日以上
40人以上50人未満 20日以上
30人以上40人未満 15日以上
20人以上30人未満 10日以上
20人未満 5日以上

2 – 1.助成額が増える「生産性要件」とは

2017年度から始まった「生産性要件」という項目は、3年前と比較して、生産性が向上していれば、おおよそ受給額が20%程増える要件となっています。

詳しい計算方法は少し複雑なので、下記の記事を参考に計算してみて下さい。

誰でも5分で理解!助成金受給額20%増「生産性要件」の計算方法

2 – 2.教育訓練休暇等制度の対象事業主は?

中小企業って?

中小企業の範囲は「資本金の額・出資の総額」あるいは「常時雇用する労働者の数」によって定められています。「常時雇用する労働者の数」とは、「は2ヵ月を超えて雇用される者」かつ「週当たりの所定労働時間が当該企業の通常の労働者と概ね同等」に該当する労働者はカウントされます。

資本金の額・出資の総額 常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店含む) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

2 – 3.具体的にどんな研修が該当するの?

「従業員が自発的に受ける研修」が教育訓練に該当します。そのため、下記は助成金の対象とならない教育訓練です。

  • OJT
  • 業務命令により受講させるもの
  • 労働者の休暇日に受講するもの
  • 事業主が主催するOFF-JT

3.申請の流れ

それでは、実際に書類の作成・提出など、具体的なお話に入ります。

  1. ステップ1 提出書類の作成
  2. ステップ2 「職業能力開発推進者選任調べ」作成
  3. ステップ3 書類の提出
  4. ステップ4 制度実施
  5. ステップ5 支給申請

ステップ1 提出書類の作成

まずは書類の作成からです。まずは下記を作成して下さい。必要書類は厚生労働省の「申請様式のダウンロード」からダウンロードできます。リンクを下に貼ってあるので、必要な書類だけダウンロードしてください。

  • 人材開発支援助成金 制度導入・適用計画届(制度導入様式第1号)
  • 履歴事項全部証明書 or 開業届
  • 事業所確認票(制度導入様式第3号)
  • 就業規則×2(原案、導入案)
  • 雇用契約書(雇用保険被保険者の全員分、最大50人)
  • 教育訓練休暇等実施計画書(制度導入様式第6号)

人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金) 申請様式のダウンロード

最も注意すべき就業規則の施工日

制度を導入する助成金は基本的にそうですが、「新たに制度を導入した」場合のみに申請が可能となります。

そのため、「制度導入・適用計画届(制度導入様式第1号)」の「9 適用計画期間」より早く就業規則の施工日が設定された場合は、その時点で支給対象外となります。

また、就業規則に盛り込む内容例は下記を参考にしてください。

(教育訓練休暇制度)
○条 会社は、全ての労働者が自発的に教育訓練や各種検定、キャリアコンサルティングを受講する場合に教育訓練休暇を付与する。
2 教育訓練休暇は有給とし、5年間に10日を付与し1年間に5日を取得できるものとする。
3 教育訓練休暇を取得するために必要な教育訓練や検定、キャリアコンサルティングは労働者の職業能力の開発を目的としたものでなければならない。
4 教育訓練を受講する場合は社外の教育訓練機関を、各種検定の場合は社外の施設で策定された検定、キャリアコンサルティングは社外のキャリアコンサルティングにてそれぞれ受講するものとする。

ステップ2 「職業能力開発推進者選任調べ」作成

こちら、管轄の労働局では恐らく教えてくれません。人材開発支援助成金のパンフレットには明記されているのですが、「職業能力開発推進者(P.27参照)を選任している事業主であること。」と書かれています。

そのため、支給申請時に「職業能力開発推進者を選任している事業主でない」という理由で不支給になる可能性もありますので、ご注意下さい。

また、ステップ1の「制度導入・適用計画届(制度導入様式第1号)」で「10 事業内職業能力開発計画の策定の有無」という欄で「有」にチェックをしないといけないのですが、この「事業内職業能力開発計画」は提出義務はないですが、求められた際に提出できるよう準備はしておきましょう。こちら、フォーマットはないので、下記作成動画を参考に作成して下さい。

職業能力開発推進者選任調べ
事業内職業能力開発計画作成の作成動画

ステップ3 書類の提出

管轄の労働局、あるいは労働基準監督署、またはハロ―ワークに提出しましょう。提出先は都道府県によって異なるので、事前に確認しましょう。

上述した通り、制度を導入した施工日と、「制度導入・適用計画届(制度導入様式第1号)」の「9 適用計画期間」はしっかり確認しましょう。

ステップ4 制度実施

上記書類を提出が終わり次第、制度を実施できます。こちら、「最低適用日数」消化後、6ヵ月後に支給申請が行えます。

ステップ5 支給申請

「ステップ4 制度実施」後、6ヵ月経過した日から2ヵ月以内に支給申請が行えます。支給申請に必要な書類は下記の通りです。従業員が10人未満の会社で、労働基準監督署に就業規則を提出していない場合は、従業員全員分の署名と、従業員代表者の署名捺印が記載された「意見書」が必要になるので、あらかじめご準備お願いいたします。

  • 人材開発支援助成金制度導入支給申請書(制度導入様式第10号)
  • 就業規則(制度を導入した)
  • 教育訓練休暇等実施状況報告書(制度導入様式第12号)
  • 事業主以外が行う教育訓練、各種検定、及びキャリアコンサルティングの実施が確認できる書類(訓練カリキュラム、受講案内等)
  • 雇用契約書(制度を実施した者の分)
  • 出勤簿(制度を実施した者の分)
  • 賃金台帳(制度を実施した者の分)
  • 生産性要件算定シート(共通要領様式第2号)+損益計算書、総勘定元帳等
    (生産性要件を申請する場合のみ)
  • 支給要件確認申立書(共通要領 様式第1号)
  • 支払方法・受取人住所届

就業規則 届出書式(意見書、就業規則届、就業規則変更届)

支給申請時で不支給になる「労務違反」とは

最も多い例は、「労務違反」による不支給です。具体的には「残業代の未払い」です。

残業代の計算方法を知らずに計算し、未払いが発覚したケースも多々あります。まずは下記を参考にして、自社の計算方法が正しいかどうか確認しましょう。

給与計算を20年間してきた社労士が教える残業代の正しい計算方法

4.併せて申請したい助成金

教育訓練休暇等制度導入と一緒に申請したい助成金です。手続きも簡単なものなので、是非チャレンジしてみてください。

セルフ・キャリアドック制度

教育訓練休暇等制度と同じ、人材開発支援助成金の制度導入関連の一つです。そのため、必要書類も同じものが多いので一緒に申請することをおすすめします。

とても簡単!人材開発支援助成金・セルフキャリアドック制度とは

職場定着支援助成金

この助成金は、人材開発支援助成金同様、業種問わず正社員がいれば申請することが可能で、最大112万円受給することが可能です。

職場定着支援助成金とは?申請までに必要な書類、手続きを全公開

「教育訓練休暇等制度」まとめ

研修に使える助成金で、最低5日有給を取得して研修に参加すれば47.5万円受給することが可能です。

研修に使えるといっても、あくまで「従業員が自発的に受ける研修」という点はご注意ください。

中澤 寛
マザーズ上場・200ヵ国を周る・100人チームを作る、人生をかけて本気でチャレンジするブログ。
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