5分後には助成金とはがわかる、毎年助成金を受給するための基礎知識

なんとなく聞いたことのある『助成金』という言葉。お金がもらえるというイメージがある一方、助成金についての情報は少ないのが現実です。その理由は、助成金が得意な社会保険労務士(助成金は社会保険労務士の独占業務)が、10%もいないので当然のことです。

この文章読めば、毎年助成金を受給するための助成金の基礎知識を理解することができ、また数十種類から厳選した、100万円以上が誰でも受給できる3つの助成金をご紹介します。

助成金の基本的な知識について、参考にしていただければ幸いです。

1.助成金とは

主に厚生労働省管轄の支援金で、特徴としては『条件をクリアすれば誰でも受給できる』という点です。もちろん、受給したお金は何に使用しても問題ありません。

1-1.助成金と補助金の違い

補助金と助成金、『何が違うの?』と思う方も多いと思いますので、簡易表にまとめました。

助成金 補助金
管轄 厚生労働省 経済産業省
対象 従業員 会社
審査 なし あり
期間 1年毎 数ヵ月
専門士業 社労士 税理士

厚生労働省の役割は『働く環境の整備、職業の安定・人材の育成』、経済産業省の役割は『民間の経済活力の向上及び対外経済関係の円滑な発展』であるため、対象がそれぞれ”人”と”企業”と異なります。助成金は厚生労働省管轄のため、従業員の職場改善や待遇処置に関して支給されるものが多いです。

最も大きな違いとして、助成金は”条件をクリア”していれば全企業受給できるものに対し、補助金は”審査”があります。申請する補助金にもよりますが、おおよそ4割程通過します。

また、助成金は期間が1年毎とありますが、上限が決まっているため、上限に満たした場合、1ヵ月で終わってしまう助成金もあります。

1-2.助成金の対象企業になるための4つの条件

助成金を申請する上で、下記の4項目は最低限クリアするべき条件になります。

・雇用保険適用事業所であるか
・雇用保険、社会保険に加入しているか
・過去半年以内に会社都合の解雇はないか
・残業未払い等の労務違反はないか

最も重要なのが、『雇用保険適用事業所であるか』どうかです。

助成金の主な財源は『雇用保険料』です。なので、雇用保険に加入していることが、助成金を受給するための第一歩です。

『雇用保険、社会保険に加入しているか』とあるが、従業員5名未満の会社であれば、社会保険の加入義務はありません。

『過去半年以内に会社都合の解雇はないか』は言葉の通りですが、もし心配であれば『事業所別被保険者台帳』を取得することをお勧めします。こちらには、従業員の名前、l入社日、退社日、雇用保険被保険者番号、会社の辞めた理由が書かれています。会社を辞めた理由が1から3で記載されており、”3″が
『会社都合』に該当します。

『残業未払い等の労務違反はないか』については、下記4点の整合性になります。

・雇用契約書
・就業規則
・賃金台帳
・出勤簿

上記4点の整合性は支給申請の際に問われるので、残業代がわかったタイミングで支払うよう命じられます。

1-3.受給した助成金の用途は決まっているの?

条件を満たし受給した助成金は、何に使用しても問題ありません。内部留保でも構いませんし、報酬として誰かに支払っても問題ありません。

補助金は『使用した経費の〇割』なのに対し、助成金は『条件をクリアしたら〇〇万円』と決まっているので、使い勝手がとてもいいです。

2.助成金申請について

それでは、助成金の申請についてお伝えします。助成金によって細かくは違うので、申請する際は確認して下さい。

2-1.基本的な助成金申請の流れ

助成金の基本的な申請の流れは下記の通りです。

  1. 計画届提出
  2. 計画実行
  3. 支給申請
  4. 支給

計画届

計画届はそれぞれ厚生労働省の各助成金のページに必ずフォーマットがあります。主に必要となる情報は

  • 労働保険番号
  • 雇用保険適用事業所番号
  • 常時雇用する労働者数

3つ目の『常時雇用する労働者数』とは、助成金によって定義が異なります。基本的な定義は下記の通りです。

① 期間の定めなく雇用されている者
② 過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者または雇い入れ時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者(一定の期間を定めて雇用されている者または日々雇用される者であってその雇用契約期間が反復更新されて、事実上①と同等と認められる者)

上記には、パートやアルバイトも含まれるということです。

しかし、中には下記条件が含まれる場合がありますのでお気をつけください。

週当たりの所定労働時間が当該企業の通常の労働者と概ね同等であるもの

計画実行

計画届を提出したら、あとは計画届通りに実行するだけです。

ここでの注意点は、”計画予定日”と”実行日”が変わった場合、計画変更届が必要となるケースがあります。不要な場合もありますが、もし提出した計画予定日と実行日が変わる可能性がある場合は確認して下さい。

支給申請

多くの場合、2ヵ月など期間が設けられています。この期間を”1日”でも過ぎたら、対象の助成金が受給できません。

さらに注意すべき点は、『計画実行後、6ヵ月後』から支給申請が始まるケースがあります。その場合、しっかり日程を把握しておかないと不支給となってしまいますので十分ご注意下さい。

2-2.助成金を申請する上で最低限必要な4つの必要書類

助成金によって必要な書類は異なりますが、ほとんどの助成金で必要となる書類があります。それが下記の4つになります。

・就業規則
・雇用契約書
・賃金台帳
・出勤簿

助成金は主に”従業員”に対して活用できる支援金なので、雇用状況を確認する上で上記4点の情報が必要となります。

多くの助成金は支給申請まで半年から1年、あるいは2年以上もかかるものがあります。その間は、最低限『賃金台帳』、『出勤簿』の作成義務が発生します。

支給申請の際に上記4点を提出し、残業代の未払い等が発覚した場合、追加で支払うよう命じられます。

2-3.不支給にならないための気を付けるべき3つのポイント

主に不支給となるポイントを3つ挙げました。下記を十分に気を付けて申請を行って下さい。

①計画期間を過ぎてしまう

助成金には『計画期間』というものがあります。助成金に必要な制度を実行するための期間で、短いものは3ヵ月、長いものは5年などあります。

この期間内に申請を行わないと、その後の制度を実行しても支給対象となりません。

②制度を正しく実行されていない

制度の中に、『研修を受ける』、『キャリアコンサルタントとの面談』、『Off-JT』など様々な種類がありますが、正しい工程を踏んでいないと支給対象とならない場合があります。

研修の中でも、マナー研修は除くなどの条件付きであったり、キャリアコンサルタントとの面談は事前協議を行う必要がある等、細かく工程が決まっています。

③支給申請期間を過ぎてしまう

これが最も多いですが、支給申請期間は主に2ヵ月です。これを1日でも過ぎてしまった場合、支給対象となりません。

3.実際に助成金を申請する上での3つの労力

上記に実際の工程を記載したのである程度イメージはつくと思いますが、まとめると、申請をする上で3つの大きな労力が発生します。

3-1.正しく工程を踏む

助成金は1つでも順序が異なれば、支給対象とならないケースがあります。この順序の管理がとても大変です。

3-2.日程を全て管理する

計画期間、計画予定日、制度実行日、支給申請期間、これら4つの管理が重要になっていきます。

1日でも過ぎた場合、不支給となってしまうので、日程の管理は慎重に行って下さい。

3-3.書類の作成

賃金台帳、出勤簿、就業規則、雇用契約書、計画書、その他必よな書類が多数あります。

ほとんどの書類がない状態で、全てを揃えて正しく記入しないと不支給となることがありますので十分お気をつけください。

4.全ての会社で活用できる、3つの厳選助成金

ここまで読んで頂いた方は、助成金の基本的な理解、申請までの大まかな流れを把握できたかと思います。そして、最後まで読んでくださった方へプレゼントとして、3つの厳選おすすめ助成金をお伝えします。是非活用してみてください。

4-1.キャリアアップ助成金(正社員化コース)

助成金の中で、一番メジャーな助成金かと思います。ここでは有期雇用から正規雇用への転換に活用できる助成金をお伝えします。

キャリアアップ助成金は、大別すると3つに分けられ、『正社員化コース』、『人材育成コース』、『処遇改善コース』となります。今回はその中でも最も申請しやすい『正社員化コース』をおすすめします。

労働者の地位向上を図るもので、有期契約、短時間、派遣等、通常の労働者(正社員)と異なる働き方をしている労働者が、より安定度の高い雇用形態へ転換した場合に助成されるものです。

アルバイトから正社員へ変わる際にも活用できます。

キャリアアップ助成金を専門用語を一切使わずわかりやすく徹底解説

■ 支給額(生産性要件を満たした場合)

57万円(72万円)

■ 主な支給要件

有期雇用期間が6ヵ月以上あること、また正規雇用期間がその後6ヵ月以上あることが条件となってきます。

正規雇用期間を6ヵ月経過したのち、労働者が辞めたしまった場合も、支給対象となります。

また、転換する労働者が、事業主又は取締役の3頭身以内だと対象となりません。

■ 申請の流れ

下記が簡易的な流れになります。

  1. 就業規則に『正社員への転換する制度』を明記する
  2. 管轄のハローワーク(公共職業安定所)にキャリアアップ計画書を提出する
  3. 有期雇用から正規雇用へ転換する際に、再度正規雇用に対する雇用契約書を結びなおす
  4. 正規雇用の期間が6ヵ月経過後、2ヵ月以内に支給申請を行う

注意点

キャリアアップ助成金は、支給申請のタイミングだけ気を付けてください。

正規雇用へ転換して6回目の給与が支払われてから翌日の2ヵ月以内という決められており、1日でも過ぎると支給対象とならないのでご注意下さい。

4-2.人材開発支援助成金

人気が高い助成金で、2016年度は『キャリア形成促進助成金』と呼ばれていましたが、2017年度から『人材開発支援助成金』と名称が変わり、また内容も変更となりました。

人材開発支援助成金を大別すると2つに分けられ、『訓練関連』、『制度導入関連』となり、ここでは『訓練関連』の中の『キャリア形成支援制度導入コース』の説明となります。

労働者のキャリア形成を図るもので、従業員へ『キャリアコンサルタントとの面談』、『教育訓練休暇』について就業規則に制度を導入することを明記し、実行した場合に受給できます。

人材開発支援助成金、徹底解説!1年後に90万円を貰うための全手順

■ 支給額(生産性要件を満たした場合)

47.5万円(60万円)

■ 主な支給要件

正規雇用労働者に対し、就業規則に導入する制度を明記し、実行した場合に支給されます。

■ 申請の流れ

  1. 人材開発支援助成金 制度導入・適用計画届(制度導入様式第1号)、事業所確認票(制度導入様式第3号)、導入する制度毎の計画届、を管轄の労働基準監督署に提出する
  2. 就業規則に導入する制度を明記する
  3. 制度を実行する
  4. 制度実行後、6ヵ月後の2ヵ月以内に支給申請を行う

■ 注意すべき点

『制度導入・適用計画届』の提出日より、導入する制度が明記された就業規則の施工日が早いと対象となりません。

計画届より就業規則を先に提出すると、『もうすでに導入されている制度だから、助成金の対象とならないよ』という事です。

とても多い事例なので十分ご注意下さい。

4-3.職場定着支援助成金

雇用改善を図り、労働者が働きやすい環境を整備することで、離職率の改善を図るものです。

職場定着支援助成金を大別すると4つに分けられ、『雇用管理制度助成コース』、『介護福祉機器助成コース』、『保育労働者雇用管理制度助成コース』、『介護労働者雇用管理制度助成コース』に分けられ、ここでは『雇用管理制度助成コース』の説明となります。

『雇用管理制度助成コース』の中にも4つのコースがあり、1つ1つの支給金額は10万円と低いですが、制度を実施前と実施後を比較して、離職率が改善されていれば57万円受給できるのが魅力です。

職場定着支援助成金とは?申請までに必要な書類、手続きを全公開

■ 支給額

10万円
※目標達成助成は57万円(72万円)

■ 主な支給要件

正規雇用労働者に対し、就業規則に導入する制度を明記し、実行した場合に支給されます。

■ 申請の流れ

  1. 雇用管理制度整備計画(変更)書(様式第a-1号)、事業所確認票(様式第a-2号)、導入する制度毎の計画届、を管轄の労働基準監督署に提出する
  2. 就業規則に導入する制度を明記する
  3. 制度を実行する
  4. 計画期間終了日の翌日から2ヵ月以内に支給申請を行う

■ 注意すべき点

『雇用管理制度整備計画書』の提出日より、導入する制度が明記された就業規則の施工日が早いと対象となりません。

計画届より就業規則を先に提出すると、『もうすでに導入されている制度だから、助成金の対象とならないよ』という事です。

とても多い事例なので十分ご注意下さい。

まとめ

今回は、『助成金とは』の基本的な部分についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

一部上場しているサイバーエージェントも年間5,000万円以上の助成金を毎年受給しています。雇用保険を払っている雇用保険適用事業所であれば、助成金を受給できる”権利”を持っているので、是非しっかり活用して頂きたいです。

申請の細かい段取りが少し手間ですが、是非活用してみてください。

中澤 寛
マザーズ上場・200ヵ国を周る・100人チームを作る、人生をかけて本気でチャレンジするブログ。
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