失業保険の全種類一覧!失業保険の貰い忘れをゼロに

「失業保険は正式名称ではなく、実は14種類もある。」
これらを全て答えられる方は読む必要はありません。もし、14種類答えられなければ、失業保険の貰い忘れがあるかもしれません。

このページでは、失業保険の貰い忘れをゼロにし、かつ上手に貰える方法についてお答えします。「アルバイトしながら失業保険を貰う方法」、「自己都合退社でも待期期間を待たずに貰う方法」、「再就職した際にまとめて失業保険を貰う方法」等、失業保険の使い方を全てお答えします。

退職する予定の方に読んで頂きたい内容となっています。また、退職してからでも、1年以内であれば活用できる可能性があるので、目を通してみてください。

1.失業保険の概要

14種類もある失業保険ですが、まずは大前提の受給条件を明確にします。

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  • 過去2年以内に通算12ヵ月以上の雇用保険被保険者期間があること。
  • 離職日より1年以内であること。
  • 失業中であり、かつ就業する意思のあるもの。
  • 健康上、いつでも働ける状態であること。

2.失業保険の種類

皆さんが言う「失業保険」とは、雇用保険で受給できる『求職者給付』の『基本手当』に該当します。失業保険には基本手当以外にも14種類あり、それぞれ貰える条件や対象が異なります。

求職者給付 ・基本手当
・技能習得手当
・寄宿手当
・傷病手当
・高年齢求職者給付金
・特例一時金(短期雇用特例被保険者)
・日雇労働者給付金
就業促進給付 ・就業促進手当
・移転費
・広域就職活動費
教育訓練給付 ・教育訓練給付金
雇用継続給付 ・高年齢雇用継続給付
・育児休業給付金
・介護休業給付金

2-1.基本手当

一般的に、失業保険というとほとんどの場合がこれを指します。失業期間中に、生活ができなくなるため受給できる失業保険になります。

支給額

基本手当 = 基本手当日額 × 日数

『基本手当日額』に関しては厚生労働省の計算式から正確な金額を計算できます。
基本手当日額の計算式及び金額(出典:厚生労働省)

また、基本手当日額を計算する際に必要となってくる『賃金日額』の計算式は下記の通りです。

賃金日額 = 最後の6ヶ月間の賃金総額 ÷ 180
賃金総額に”含まれる”もの ・残業代、営業手当
・通勤手当
賃金総額に”含まれない”もの ・結婚祝い金・見舞金等
・住宅、食事等
・制服、作業衣、旅費等
※ただし、上記のものでも賃金総額に含まれる場合があります。

“賃金”のあれこれ(出典:経営者のミカタ)

2-2.技能習得手当

失業中に何か新しいスキルを覚えたいというときに活用できるのが、この『技能習得手当』です。ハローワーク管轄の『公共職業訓練』で専門家から無料でスキルを教わることができ、かつ手当が支給されるというものです。基本手当と併給できるのもポイントです。

技能習得手当には2種類あり、『受講手当』と『通所手当』が存在します。下記2種類とも、受給は基本手当と同じタイミングで受け取れます

受講手当

受講手当は公共職業訓練を受講した際に支給される手当で、受講するごとに1日500円(上限20,000円)支給されます。当然、休校日や休んだ場合は支給されません。

通所手当

いわゆる交通費に該当するもので、通勤手当代、通学距離に応じたガソリン代が貰えます。上限額は42,500円となります。

基本手当の延長給付

これは、公共職業訓練コースに在籍していると活用できる制度なのですが、なんと基本手当の受給期間が終わっても、通っている間は基本手当が支給されるということです。この制度を活用すれば、最大300日まで延長することができます。

公共職業訓練コース検索(出典:厚生労働省)

2-3.寄宿手当

公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける際に、生計を維持している同居の親族と別居して寄宿する場合に支給されるもので、月額10,700円となります。

失業中に寄宿するといったよっぽどのことがない限り活用できない手当です。

2-4.傷病手当

基本手当の受給条件として「すぐに働ける状態」があげられるため、病気やケガの場合は基本手当は支給されません。そんな時に活用できるのが『傷病手当』になります。

ハローワークで求職の申し込みをした後、病気やケガが原因で15日以上求職活動や職業に就くことが困難な場合に支給されます。基本手当の代わりになるものなので、併給はできません。

給付金額、給付日数は基本手当と同じで、傷病手当前に受け取った基本手当分は支給されません。ただ、病気やケガが原因で30日以上休養を余儀なくされた場合、最大で4年間まで受給期間を伸ばすことができます。

2-5.高年齢求職者給付金

65歳以前に雇用されていた被保険者が65歳に達した日以降も継続して雇用され、その後離職した場合に支給されるものになります。65歳以降の離職がポイントです。

ハローワークで認定通知を受けた後であれば、年金を受給しても給付金額が減額されることはありません。また、認定通知を受けた後に再就職しても減額されません。

自己都合退社であれば、待期期間7日後、給付制限3ヵ月の後、一時金として支給されます。

支給額

被保険者期間が1年以上 基本手当日額 × 50日分
被保険者期間が1年未満 基本手当日額 × 30日分

2-6.特例一時金(短期雇用特例被保険者)

雇用保険の手当や給付金は原則「過去2年以内で通算12ヵ月以上の雇用保険被保険者」としての実績が必要になります。そうなると、1年未満の雇用契約をした方は手当や給付金を一切受けられなくなってしまいます。

そんな方のためにあるのが『特例一時金(短期雇用特例被保険者)』です。一定期間での雇用契約を交わした方が受給できる一時金となります。

対象となるのは主に2パターンです。

  • 出稼ぎ(季節によって仕事がなくなるなど)
  • 季節、期間限定(海の家や、リゾート地など)

ただし、上記条件に当てはまった場合でも、下記の場合が対象外となります。

  • 4ヵ月以内の期間を定めて雇用される者
  • 1週間の所定労働時間が30時間未満である者

支給額

特例一時金の支給額は、基本手当日額の30日分となります。

2-7.日雇労働者給付金

日雇い労働者とは、『日々の雇用契約をされている者、及び30日以内の期間を定めて雇用される者という(法第42条)』となります。

また、下記に該当する場合を指します。主な対象となる職業は、「土工」、「荷扱夫」、「雑役」、「人夫」などが該当します。

この給付金を受けるために雇用保険被保険者がするべきことは、『日雇労働者被保険者手帳』を取得することです。ハローワークで詳しく確認してみましょう。

支給額

日雇い労働者は、出勤するごとに日雇労働者被保険者手帳に『雇用保険印紙』を貼ってもらいます。この『雇用保険印紙』の枚数によって支給金額が変わります。

印紙枚数 給付を受けようとする月
26枚~31枚 最大給付日数13日
32枚~35枚 最大給付日数14日
36枚~39枚 最大給付日数15日
40枚~43枚 最大給付日数16日
44枚以上 最大給付日数17日

給付日額

雇用保険印紙は3種類存在し、払われる日給によって異なります。この印紙の種類の枚数によって、日雇労働者給付金の給付日額が異なります。
※印紙代は労使折半です。

日給額 印紙種類
11,300円以上 第1級印紙(176円)
8,200円~11,299円 第2級印紙(146円)
8,199円以下 第3級印紙(96円)
前2月間に納付された印紙保険料のうち、第1級印紙保険料が「24日分」以上であるとき。 7,500円
第1級給付金
・前2月間に納付された印紙保険料のうち、第1級印紙保険料及び第2級印紙保険料が「24日分」以上であるとき。
・第1級印紙保険料+第2級印紙保険料+第3級印紙保険料の順に選んだ24日分の印紙保険料の平均が第2級印紙保険料を上回る場合。
6,200円
第2級給付金
それ以外。 4,100円
第3級給付金

2-8.就業促進手当

就業促進手当は、主に4種類あります。

再就職手当

基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合に、残りの基本手当支給日数に応じて支給される手当です。

貰える金額は少なくなりますが、貰わないよりはましです。

残りの所定給付日数が3分の2以上ある場合 支給額 = 基本手当日額 × 基本手当の支給残日数  × 70%
残りの所定給付日数が3分の1以上ある場合 支給額 = 基本手当日額 × 基本手当の支給残日数  × 60%

就業促進定着手当

再就職手当の支給を受けた方で、再就職先に6ヵ月以上雇用され、再就職先6ヵ月の賃金より、離職前6ヵ月の賃金が少ない場合、基本手当の支給残日数の40%(再就職手当が70%の場合は30%)を上限とし、低下した6ヵ月分を支給するものです。

就業の条件は、下記の通りです。

  • 契約期間が7日以上
  • 週の労働時間が20時間
  • 1週間に4日以上働く

就業手当の計算式

離職前の賃金日額 - 再就職後6ヵ月間の賃金の1日分の額 × 再就職後6ヵ月間の賃金の支払い基礎となった日数

就業手当

就業手当は、上記の再就職手当の支給対象とならない常用雇用等以外の形態で就業した場合に支給されます。

就業手当の単価 = 基本手当日額 × 30%
※上限額は、60歳未満は1,741円、60歳以上65歳未満は1,412円です。

常用就職支度手当

こちらは、45歳以上や、障がい者等の就職困難者であることが条件となっており、受給するには少しハードルが高いです。また、待期期間、給付制限の期間に就職すると支給されませんので、注意が必要です。

支給残存日数が90日以上の場合 90日 × 40% × 基本手当日額
支給残日数が45日~90日の場合 支給残日数 × 40% × 基本手当日額
支給残日数が45日未満の場合 45日 × 40% × 基本手当日額

2-9.移転費

ハローワークが紹介した仕事に就く、あるいは公共職業訓練コースを受けるために必要な住所・居住を変更する場合に支給されます。『必要な住所・居住変更』とは、下記要件いずれかに該当する場合を指します。

  • 通勤(所)時間が往復で4時間以上の場合
  • 交通機関の始発の便が悪く、通勤に著しい障害になる場合
  • 移転先の事業所・訓練施設が特殊で、事業主の要求によって余儀なくされた場合

移転料

50km未満 9万円程
50km~100km未満 10万円程
100km~300km未満 13万円程

※あくまでおおよその目安です。
※単身の場合は半額になります。

着後手当

親族同伴の場合 4万円
単身の場合 2万円

2-10.広域就職活動費

雇用保険の受給資格者を対象に、面接や説明会に参加する際にかかる必要な経費を支援する制度です。

広域求職活動日の中には、

・ガソリン代
・電車代
・フェリー代
・宿泊費

等が当てはまりますが、該当するかどうかはハローワークから直接確認してみて下さい。一つの目安として、管轄のハローワークから応募先企業までの距離が300km以上離れている必要があると言われています。さらに、宿泊費は400km以上未満の場合です。

応募する企業に関しては、ハローワークによる紹介求人でないといけません。

支給額

交通費 原則全額支給
宿泊費 7,800円~8,700円/1泊

上記の通り、かかる費用に関してはほとんど支給されるので、求職活動中の身には有難い制度です。
また、応募先企業から交通費などを負担してもらった場合は、その分は返金しなければなりません。

2-11.教育訓練給付金

スキルアップのための教育訓練にかかる費用に対して支給される給付金で、3種類の教育訓練給付金があります。

一般教育訓練給付金

在職中であって、雇用保険被保険者期間が3年以上(初めての方は1年以上)あることが条件です。

教育訓練経費の20%に相当する額となり、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4,000円を超えない場合には支給されません。

専門実践教育訓練給付金

在職中であって、雇用保険被保険者期間が10年以上(初めての方は2年以上)あることが条件です。

教育訓練経費の40%に相当する額となり、その額た32万円を超える場合は32万円とし、4,000円を超えない場合には支給されません。

教育訓練支援給付金

初めて専門実践教育訓練を受講する方で、上記と異なり訓練期間中は失業状態であることが条件です。

当該訓練受講中の基本手当の支給が受けられない期間について、基本手当の日額と同様に計算して得た額に50%の割合を乗じて得た額が支給されます。

2-12.高年齢雇用継続給付

主な受給条件としては、60歳以上65歳未満の被保険者が、60歳時点に比べて賃金が75%未満の賃金に低下した場合、支払われる賃金の最大15%の給付金が支給されるものです。支給上限額は339,560円で、支給下限額は1,832円で、支給額が1,832円に満たない場合は支給されません。被保険者期間が通算して5年以上必要です。

高年齢雇用継続給付は大きく分けると2種類あり、雇用保険を受給していない方を対象とした『高年齢雇用継続基本給付金』と、雇用保険の受給中に再就職した方を対象とした『高年齢再就職給付金』に分けられます。

高年齢雇用継続基本給付金

基本手当を受給しないで働いている方で、65歳まで支給される。

高齢者再就職給付金

基本手当を受給している方が再就職した場合に支給されますが、再就職先が1年を超えて引き続き雇用されることが確実であることが条件となります。

高齢者再就職給付金の支給期間は、基本手当の支給残日数によって決まる。

基本手当の支給残日数100日以上200日未満 1年間を上限に、65歳到達まで
基本手当の支給残日数200日以上 2年間を上限に、65歳到達まで

2-13.育児休業給付金

育休中に支給される給付金で、条件としては

  • 入社して1年以上経過
  • 育休期間中の1ヵ月と、休業開始前の1ヵ月を比べ、賃金の80%以上の賃金が支払われていない
  • 働いている日数が1ヵ月に10日以下

で、退職した方や退職予定の方も対象外です。

支給額

育児休業給付金は、最初の180日間と、その後で計算が変わります。

産後57日~237日
(育休開始から180日)
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
それ以降 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%
休業開始時賃金日額 = 6ヵ月分の給料 ÷ 180日
※上限額は424,500円、下限額は68,700円です。

2-14.介護休業給付金

家族を介護するための休業をした雇用保険被保険者の方が支給対象で、1回の介護休業期間に限り、介護休業開始日から最長3ヵ月間支給されます。

支給額

休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
※上限額は312,555円、下限額は68,700円です。

3.求職者支援制度

こちらはあまり知られていないですが、雇用保険を受給できない求職者の方を対象とした制度で、職業訓練によるスキルアップを通じて早期就職を実現するためのものです。

『求職者支援訓練』または、『公共職業訓練』を原則無料で受講できます。

支給条件は下記が対象となり、『特定求職者』と呼びます。

  • ハローワークに求職の申し込みをしていること
  • 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
  • 労働の意思と能力があること
  • 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと

3-1.職業訓練受講給付金

特定求職者の中で、一定の条件をクリアすると、月額10万円支給される制度です。さらに、通所手当、移転費も必要であれば受給できます。

支給要件

  • 本人収入が8万円以下
  • 世帯全体の収入が月25万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  • 全ての訓練実施日に出席している
  • 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
  • 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない

まとめ

雇用保険には、これだけの制度が充実しております。貰いそびれていた、という方はたくさんいるのではないでしょうか。

制度を知っておくだけでも役立つことはたくさんあるので、なんとくなく覚えてもらえたらなと思います。

中澤 寛
マザーズ上場・200ヵ国を周る・100人チームを作る、人生をかけて本気でチャレンジするブログ。
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